FAQ(よくある質問)

その1.   ネット名誉棄損
その2.   HIV無断検査
その3.   貸したお金が返ってこない
その4.   FAQその4 パートナーに財産を残す方法(遺言編)
その5.   FAQその5 外国人パートナーの在留資格




FAQその1  ネット名誉棄損

<質問>
私は、「○○○」のハンドルネームでブログをやっていますが、某巨大掲示板やSNSのサイト内で、私のことを指して「『○○○』は、乱パを主宰して、違法なセックスドラッグを売りさばいてる」などと事実無根の誹謗中傷をする人がいます。何とか、相手をつきとめて名誉棄損などで訴えたいのですが、どのような方法がありますか。

<アドバイス>
相手方の発言が名誉毀損等の不法行為にあたる場合には,プロバイダや掲示板の管理者等に発言者の氏名や住所の開示を求め,その情報を元に発言者に損害の賠償を求めることができます。

あなたをインターネット上で誹謗中傷した相手をつきとめる方法として,プロバイダや掲示板の管理者等に,その発言をした者の氏名や住所の開示を求めることが考えられます。ただし,この方法は,名誉棄損等の「その発言によって権利が侵害されたことが明らかな場合」にのみに限定されていますので,相手の発言があなたに対する権利侵害といえる場合にのみ可能です。
まず,このケースでは、「あなたの名(現実社会での名前)」ではなく「ハンドルネーム(仮想空間での名前)」を指しての誹謗中傷であることに注意が必要です。
他の書き込み等から「○○○」があなたのことだと識別できる場合には,ハンドルネームを指しての誹謗中傷でも,あなた自身の社会的評価が低下するので,あなたに対する名誉棄損となり得ます。
しかし,「○○○」があなたのことだと識別できない場合は,ハンドルネームを指して誹謗中傷があっても,(現実社会の)あなた自身の社会的評価が低下することはありませんから,あなたに対する名誉棄損とは言えません。このような場合に,あなたに対する何らかの権利侵害となるかは,難しい問題です。 また,「○○○」があなたのことだと識別できる場合にも,発言のあった経緯や前後の文脈,あなたからの反論等の具体的な事情にも注意が必要です。

実際に発信者を特定するためには,発信者情報の開示請求を複数回行う必要がある場合があります。また,発信者情報の開示を受けるためにプロバイダ等を相手にした裁判が必要になる場合もあり,発信者の特定には時間がかかる可能性があります。ところが,プロバイダ等には発信者情報の保有期間が定められているわけではないので,発信者情報の保有期間は短いことが多いようです。そのため,発言者を特定するためにはできるだけ速やかに行動を起こすことが重要です。

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FAQその2 HIV無断検査

<質問>
ある会社から採用内定通知をもらいました。実際に勤務に就く前に健康診断を受けてほしいとの事だったので、会社の指示に従い、健康診断を受けたところ、就業数日前になって、「あなたがHIVに感染していることが分かった。当社の業務の性質上、問題があるので、内定を取り消します。」と言われました。このようなことができるのでしょうか。
<アドバイス>
明らかに違法です。

HIV感染については一切の就業制限がありませんし、法律上、雇用主に義務づけられている健康診断の検査項目にも入っていません。又、無断でHIV検査が行われた場合、それ自体違法行為です(※)。このような会社に就職しないとしても、不法行為による損害賠償と慰謝料の請求くらいはしてもよいのではないでしょうか。
内定は、解雇権留保付労働契約(30日以上前の解雇予告を必要としない労働契約の一種)と考えられていますが、採用内定通知が発信された段階で、労働契約が成立していると捉えられていますので、内定取り消しをするためには、客観的に合理的であって社会通念上相当とされる理由が必要となります。HIV感染には、内定を取り消すべき合理性も相当性もありませんから、内定取り消しは無効(法律的効果が最初からないこと)となり、契約上の地位の確認や賃金の請求をすることができます。

※雇用主は、一般的には、労働者に対する健康配慮をする義務がありますが、HIV感染の有無については、通常、雇用主が知る必要のない情報であるとした裁判例として、千葉地裁H12.6.12判決、東京地裁H15.5.28判決(警察学校の事例)などがあります。
アカーに相談があった例では、HIV無断検査をされ不当な退職勧奨や配転を受けた例があります(いずれも訴訟になり勝訴的和解により解決)。


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FAQその3 貸したお金が返ってこない

<質問>
ネットで知り合った相手と付き合うことになりました。相手から、先日、交通事故を起こし、物損だけなのだが、ぶつけた車が結構な外車で、200万円の損害賠償を請求されている。100万は何とか用意したのだが、足りない分を貸して欲しい、必ず返すからといわれ、預金をおろして100万円を貸しました。その日は、次に会う日を約束して別れたのですが、約束の日に彼は来ず、携帯電話やメールも繋がらなくなってしまいました。

金は、返してもらいたいのですが、どうしたらよいでしょうか。

<アドバイス>

相手の本名と住所を突きとめて貸し金を請求しましょう。

お金の貸し借り(金銭消費貸借)は、借りたお金を返すことを約束して金銭を受け取ることによって成立します。法律上は、口約束でも契約は成立しますが、いつ、誰が誰に対していくらのお金を貸し、いつどのようにお金を返すのかを文書に残しておくことが後々の争いを防ぐことになります。
文書を作っていない場合、あなたと相手との間で、話された内容に基づいて(メールなどが残っていればその内容も参照して)、あなたが貸した金額・時期、相手が返すと約束したこと、返済方法等を特定して、文書で相手にお金を返す請求をしてみましょう。請求する際には、内容証明郵便によることが望ましいでしょう。

相手が、あなたの請求を認めれば、お金を返す方法や時期についてあらためて文書にして、約束通りに返済をさせるようにします。又、相手がお金を借りたことを認めなかったり、一切反応してこないとなれば、訴訟も考えなければなりませんが、あなたと相手との間に金銭消費貸借契約が成立し、相手がお金を返していないことを証明する証拠がどのくらいあるか十分に検討しなければなりません。

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FAQその4 パートナーに財産を残す方法(遺言編)

(1)遺言と相続
<質問>
私は、20年来の付き合いであるパートナーと私が所有するマンションで暮らしています。将来、私が、パートナーより先に死んでしまった場合、マンションをパートナーの所有にして、パートナーが住むところに困らないようにしたいのですが、どのような方法があるでしょうか。
<アドバイス>

自らの死後に、マンションをパートナーの所有とする方法としては、遺言書を作成するという方法が考えられます。

あなたが亡くなると同時に相続が発生します。この場合、遺言書がなければ、あなたの財産は法定相続人がその相続分に応じて取得することになります。法定相続人とは、配偶者、子(子が既に亡くなっている場合はその子etc)、親・祖父母、兄弟姉妹(兄弟姉妹が既に亡くなっている場合にはその子(甥、姪)まで)のことをいいます。

同性のパートナーである場合には、パートナーという状態だけでは法定相続分はありませんので、遺言書を作成し、生きている間に「この人に財産を残してください」という意思表示を明確にしておくことがとても重要です。

遺言書については、まずは「(2)遺言書の種類」をご覧下さい。
また、全財産をパートナーに残すことができない場合もありますので、この点については「(4)遺留分について」をご覧下さい。


(2)遺言書の種類
<質問>
遺言書にはどういった種類のものがあるのでしょうか。
<アドバイス>

遺言書には、公正証書遺言・自筆証書遺言・秘密証書遺言があります。

公正証書遺言とは、公証役場で証人2名の立会いの下、公証人が作成する遺言です。メリットとしては、公証人に証明してもらうことができるので、無効になるおそれが小さいこと、相続人等に偽造・変造されるおそれが小さいこと、家庭裁判所の検認が不要であることが挙げられます。デメリットとしては、費用がかかること、公証してもらうに際して証人が必要となること等が挙げられます。

自筆証書遺言とは、遺言者自らが自筆で作成する遺言です。メリットとしては、極めて簡便で費用もかからないことが挙げられます。デメリットとしては、偽造や変造されるおそれがあること、記載が正確でないと形式的な要件違反によって遺言が無効になってしまうこと、家庭裁判所の検認が必要であること等が挙げられます。 秘密証書遺言とは、文書は自分で作成した上で、封緘を公証行為として行うものです。メリットとしては、秘密性が高いことが挙げられます。デメリットとしては、家庭裁判所の検認が必要であること等が挙げられます。

パートナーに財産を残すという遺言は、法定の相続人でない人に財産を残すということですから、パートナーと法定相続人との間でトラブルが生じることも考えられます。


(3)公正証書遺言の作り方
<質問>
公正証書遺言はどのようにして作成すればよいのでしょうか。
<アドバイス>

公正証書遺言を作成するためには公証役場というところに行く必要があります。作成には、相続財産の価額に応じた費用がかかります。

公証役場に行く前に、財産目録を作成しておくとスムーズに行くでしょう。

なお、公正証書遺言を作成するためには、証人2名が必要になります。相続人は証人になれないため、他の人にお願いしておく必要があります。

又、公正証書遺言の場合、公証役場に原本が保存されているので、遺言の保管場所が分からない場合や遺言があるかどうか分からない場合に、公証役場で遺言の有無を照会したり、その正本や謄本を交付してもらうことができる点でも自筆遺言証書などより安心できます。


(4)遺留分について
<質問>
遺言書によっても、全財産をパートナーに残せない場合があると聞いたのですが、それは具体的にどういう場合なのでしょうか。
<アドバイス>

はじめに述べたように、遺言書を作成すれば、パートナーに財産を残すことができるようになりますが、全財産をパートナーに残すことはできない場合があります。 それは「遺留分」という制度があるからです。

遺留分とは、配偶者、子、父母・祖父母等直系尊属に保障された最低限の取り分のことです。

兄弟姉妹には遺留分はないので、法定相続人が兄弟姉妹だけの場合は、遺言書によって全財産をパートナーに残すことができます。
遺言書を作成するときには、パートナーと法定相続人との間でトラブルが生じないよう、遺留分を侵害しないよう注意する必要があります。


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FAQその5 外国人パートナーの在留資格

<質問>
私(日本人)には、外国人のパートナーがいます。パートナーと私は某国でCivil Unionを結んでいますが、パートナーと日本に住むことになった場合、パートナーは,「日本人の配偶者等」の資格で日本に滞在できるでしょうか。
<アドバイス>

できません。

出入国管理及び難民認定法で在留資格が認められる「日本人の配偶者等」とは、日本人の配偶者若しくは特別養子又は日本人の子として出生した者をいいます。本件の場合、パートナーが日本人の配偶者に含まれるかが問題となります。

そして、「日本人の配偶者」は、男女間の婚姻によって配偶者の資格を持つ者と解釈されています。ここでいう婚姻は、日本の法律上有効に存続しており、かつ、真正なものであることが必要です。

したがって、同性間であれ異性間であれ、事実上の配偶者や婚姻以外の法的関係(外国のCivil Unionも含まれます。)によって共同生活者となっている者は、在留資格としての配偶者には含まれません。

また、日本においては、婚姻とは、両性の合意に基づいて成立するものとされていますから、外国において有効に認められた同性婚をしていたとしても、「日本人の配偶者」には含まれません。

したがって、あなたがパートナーと日本で暮らす場合には、それぞれの事情に合わせて適切な在留資格を得ることが必要です。どのようにパートナーと生活をしていくか、よく話し合い準備をしておきましょう。

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